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タイ国王の愛犬は元・野良犬!

野良犬からロイヤル・ドッグになるまでのシンデレラ・ストーリー
地域で犬を世話するタイ国民と、愛犬家のタイ国王によって、いまや国民的なアイドルともなったロイヤル・ドッグが誕生した!
2006年12月、『奇跡の名犬物語 世界一賢いロイヤル・ドッグ トーンデーン』(世界文化社)が発行された。著者は、2006年で即位60周年を迎えられたタイのプーミポン・アドゥンヤデート国王。日本では絵本版であるが、2002年に出版されたタイ語版は子ども向けではない。


1200_topic.jpg この『The Story of Tongdaeng(トーンデーン物語)』(アマリン社)は、80万部以上を売り上げたタイ国内一のベストセラー。2004年には同書籍の絵本バージョーンも出版され、こちらも65万部以上を売り上げている。











国 民からの尊敬を集めるプーミポン国王は、愛犬家として知られる。2002年2月、私もバンコク滞在中に何気なく見ていたテレビでそれを再認識した。病気療 養を終えたプーミポン国王が退院する場面がニュース番組で放映されていたのだが、出迎えた王族や関係者たちが着ていたポロシャツに、国王陛下の愛犬が描か れていたのである。その犬こそ、もとはバンコクの裏路地の野良犬だった“トーンデーン”。

国王が撮影されたトーンデーンとその子犬たちの写真がプリントしてあるポロシャツは、退院記念として国内でも販売されたものの、瞬く間に売り切れてしまったという。
2006年6月には、トーンデーングッズの収益金で建てられた犬用リハビリ施設「スワンナチャート・プール」の開設1周年を祝う式典の模様も報じられた。 そこで見事な犬かきを披露した犬も、トーンデーン。バンコク都内のカセサート大学獣医学部にあるこのプールでは、常時10~12頭の犬がリハビリに取り組 んでいるそうだ。

それまでも、野良犬を救済するための資金をトーンデーングッズは調達してきた。国王の発案で、国軍は2003年に野良犬140頭を収容施設から引き取り、 警察犬、麻薬探知犬、救助・遺体捜索犬として訓練。2004年にタイ南部を襲った津波の被災地に派遣された災害救助・遺体捜索犬の雑種3頭も、そこから派 遣されて国内外で話題となった。タイでは、野良犬の姿をしばしば見かける。けれども、日本人がイメージする(2006年に話題になった“崖っぷち犬”のような)野良犬とは異なるかもしれ ない。タイには周辺地域の住民に名前をつけられ、屋台の客からゴハンをもらったりしてかわいがられている犬も多く、野良犬というよりコミュニティードッグ といったところ。

トーンデーンも、もとはそんな犬の一頭だった。雑種だがバセンジーに容姿が似ていることから、国王陛下はトーンデーン「タイ・スーパー・バセンジー」とも呼んでいるそうだ。
トーンデーンは、とても賢い。陛下がドライブに出かける際「助手席に上がって座りなさい」と呼びかけるとその通りにしたり、痒がっているトーンデーンにパウダーをつけて「もう掻かないように」と陛下が言えばそれを理解したり……。
「褒めるしつけ」を実践した陛下との間に結ばれた信頼関係をうかがわせるエピソードが、日本語版の絵本にもあふれている。

タイの犬事情を垣間見ることで、私たちの身近な日本の犬の「しあわせ」を見直す機会を、この絵本が与えてくれるかもしれない。